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追憶
- bluechip1326
- 2015年3月5日
- 読了時間: 1分
ついにお目当てにあのコを飲みに誘うことに成功した。シャツにアイロンをかけ、ひげもバッチリ剃り、軽く香水なども振っていざ出陣!
待ち合わせは夕方5時。まだ時間があるなぁ…そういえば、今日はジャパンカップじゃないか☆足取り軽やかにWINSに吸い込まれる。
1時間後。私は何度も「時よ戻れ」と念じていた。なぜ、こんな難解な特別レースを、しかものっけからゼンツしてしまったのか…気づけば財布の中は千円札2枚と、メインのジャパンカップの3連単馬券1800円分ばんばんになっていた。
朦朧とする意識の中、一階の大型ビジョンの中に私が見た光景は…名牝ブエナビスタが鮮やかに男馬たちを差し切るシーンだった。…ん!?てか、2,3着、当たってね!?
私は速攻で携帯でオッズを確認した。250倍…しかも、200円買ってる!!
黄泉の淵から生還…甦るとはまさにこのことじゃないか。ああ、本当に神はいたんだ。もう弟のファミコンカセット勝手に売ったりしません。神様ありがとう。うるる
私は気付いていなかった。煌々と輝く「審議」のランプに。
私は気付いていなかった。私の「運気」が、同じ馬券を買った人たちを巻き添えにしたことを。
「風邪引いて39度の熱が出ちゃっていけなくなった。ごめんね」
こぼれ落ちた涙が、送信ボタンを押した。
