世紀の大発明
- bluechip1326
- 2015年4月11日
- 読了時間: 2分

ついに…ついに人の運気を視認できる装置の開発に成功した!!
極限まで小型化した結果、眼鏡と同程度のサイズに収まった。
右脳へ最短でアクセスし脳波をリダイレクトするため、左眼にのみ装着。
対象の運気値(unfortunate value…UN値と名付けた)を数値として表示。
デザインも誰も見たことが無い、斬新な発明品の完成だ!!
浮世と隔離されたエリア(モスバーガーの喫煙所)から、道行く人々を眺める。
無邪気にはしゃぐ小学生3人…UN値 32、25、39。
39を示したボーイは左手にスマートフォンを所持。
25を示したボーイはか細い体躯に破損したランドセル。
疲弊したサラリーマン…UN値たったの5。
ふっ。ごみめ。
青春を謳歌中の大学生カップル…UN値 57、60。
まだ世の中の汚れを知らず希望に満ち溢れていることが運気を高めるのか。
横断歩道を渡りきらないうちに信号が赤に変わってしまいそうな、杖をついた老婆。
…UN値 120。 …120!?運気値の最大値は100を超えることはないはずだ!?
スカウターの故障か?(あーあスカウター言っちゃったよ)
再び老婆に目をやると、角の宝くじ売り場でなにか記入している。
そうか、そういうことか!
俺は一口かじっただけのチーズバーガーをポケットにしまい、老婆の元へと走った。
しかしどうする?まさかひったくる訳にもいくまい。いや…億だぞ!
考えを巡らせながら売り場へ着くと、ちょうど老婆はくじを買い終えたところだった。
そして買い目を記入した用紙を、記入済み用紙入れに捨てた!
何という幸運…これで犯罪者にならずにすんだ。俺は新しい用紙を取るフリをして、
老婆の捨てた用紙を拾い、そのまま窓口に渡した。
「200円です」渡された紙には、「ロト6」の文字と、6つの幸運の数字が記入されていた。
<後篇へ続く…?>